1.付加価値の創造性はどこに向えばいいのか?

 「ビジネスで売上を伸ばすためには常に付加価値を創造し続けなくてはならない。」というのを聞いたことがありますでしょうか。この原則についてはGDPの計算方法をご存じであれば、異論はないかと思います。一方でその創造の方向性についてはどこに向かうのが正しいのでしょうか?新しい商品を開発して提供することでしょうか?私は近年の消費者の傾向を見ていると「空間のクオリティーを上げることが先決ではないか?」と考えるようになりました。

2.空間のクオリティーを優先する理由

 私が空間のクオリティーを優先する方が良いと考える理由は、空間の付加価値の創造は従業員の工数を増やさないと考えているからです。新しい商品の開発はこれまでの作り方の手順を変える必要もありますし、新しい手順を従業員に伝えていかなければならない。機械で製造するなら新しい機械を導入しなければなりません。製造に必要な人数が増えるような商品なら従業員の早期退職を募集することも難しくなります。一方、過ごしやすい空間を作るのは一時的には労力がかかりますが、一度作ってしまえば仕組みとして売上に貢献し続けてくれます。

3.なるべくお金をかけずにより良い空間を作るには?

 まずより良い空間の要素について考えてみましょう。私の考える要素は以下の4つです。

①音
②臭い
③メリット
④見栄え

上記の順番でお金をかけずにクオリティーを上げることができると思っています。

4.音

 お店の音と考えるとメロディーを流すというようなことを考えることが多いと思いますが、音をなくすという努力が最もコストパフォーマンスが良いです。例えば業務で使っている容器がガラス製の物なら机と触れた時大きな音がしてしまうので、プラスチック容器に変える。100円ショップでスポンジのクッションシートを買ってきて作業台の上に敷くなど、お店の内部で生じる業務の作業音を徹底的に消す努力をすると、とてもお客さんが過ごしやすい空間が作れます。カフェなどのエスプレッソを作る時大きな音が聞こえてくるとよく分かると思いますが、業務上で発生する音は思った以上にお客さんに不快感を与えています。

5.臭い

 お店の臭いに関しても比較的お金がかからない物の1つだと思います。お店の食品から変な臭いをさせないというのはもちろんですが、消臭剤や芳香剤を選ぶ場合もお店のコンセプトに沿ったものを選んでいるかをチェックすると良いかと思います。店内が木目調作りになっているのにシトラスの香りを漂わせるのは少し違和感があるかと思います。そういった場合は杉の香りなど方向性を統一することが必要かと思います。またお店の中だけでなくお店の外の臭いについてもチェックしておくとお勧めします。日常的に薬剤を使う系統のお店だと下水などからその業態独特の臭いがするようになります。そういった場合は下水の洗浄する必要もあるかと思います。

6.メリット

 その空間に行くと何らかのメリットが得られるというのも重要です。Wi-Fiが使える。充電ができる。コーヒーが飲める。ただこれらは継続的に原価がかかるためある程度計算の上、導入する必要があります。また今回コロナウィルスが流行ったことにより、店内を抗菌シートや空気清浄機、机の抗菌加工などの「抗菌性」が新しい付加価値になるような気がしています。うまくアピールできれば、そういった客層を掴めるのではないでしょうか?

7.見栄え

 最後にお店の見栄えですが、これはお金が掛かる物とそうでない物に非常に開きがあります。一番良いのは壁紙を張り替えると雰囲気をがらりと変えることができます。また最近都内ではバルーンの専門店なども出てきており、そういった装飾も面白いかもしれません。

店舗経営者には苦しい時期に差し掛かっていますが、大手のチェーン店はこれを機に大規模な改装をしているところも見受けられます。小規模店舗におきましては、キャッシュの確保が優先かと思いますので改装とまではいかないかもしれませんがお客様が来ない間にできる工夫はあるかと思いますので試してみてはいかがでしょうか?