1.物を売ることとは何か?

 今日は「物を売る」ということについて考えてみたいと思います。商売の基本である物を売るという行為はどのようなことなのでしょうか?私はこれを「結論ありきの言葉遊び」であると考えています。こと銀行や証券の営業マンの方でなどで「お客さんはこれを買っても儲からない。本当にこの投資信託を売ることが顧客のためになるのだろうか?」と葛藤されている方は多いと思います。これは手数料が高いことからかなりの値上がりが見込めないとその手数料分もペイしないことから、ある種金融業界では常識なのです。しかしながらどんな業種においても、自社製品を上回る製品というのは存在するので多かれ少なかれ、そのような葛藤を抱えながら営業をされている方は多いのではないでしょうか?

2.顧客第一主義という哲学的袋小路

 一度、このようなことを考え始めると特定の方は「本当は顧客のためになってないんじゃないか?」、「もっと顧客のためになる提案があるんじゃないか?」という迷路に迷い込んでしまうこともあるかと思います。ただこのようなわだかまりを抱えて仕事をしていては、目の前の成果を上げることはできないものです。あくまで売るという役割を与えられた以上、建前なしに書けば顧客が得しても、損しても売らなければならない訳です。もちろん本当に顧客のことを考えて「損すると思ったら売らない」という選択肢は取ることはできます。所詮、サラリーマンですから営業をしていれば、成果が出ようと出まいと最低額の給与はもらえるわけなので。

3.自分の正義を貫きつつ、成果を出すためには何をしなければならないか?

 のらりくらりやって行くのに抵抗がない人はそれで良いかもしれませんが、自分自身が成果を出せずにいることに対して我慢できない方もいらっしゃるでしょう。そういった方はどのようにすれば良いのでしょうか。そこで冒頭に書いた言葉を思い出してほしいのです。私は商売とは「売るという結論ありきの言葉遊び」の世界だと思っています。何かを売ろうと思った時、例え話を考えてみたり、データを引っ張って来て根拠を示したり、論理的に見えるように話を組み立てたり、人は色々な工夫をします。このような営業トークを大真面目に科学的な視点で分析し、考え、検証するとボロボロに見えてしまうのは当然なのです。だってそもそも初めから結論が決まっているのですから。しかしこのような一見して無意味な言葉遊びの技術も極めれば、色々な物が売れるようになります。結果的に顧客の利益になる商品を扱えた時や、必要としているお客さんに出会ったタイミングで営業できた時、きちんと売ることができ、役に立てるようになるはずです。そのためにできるだけ多くの人にアプローチしなければいけませんし、本当に顧客の利益になる出会いがあったら確実に決めなければなりません。そのような行動を繰り返していけば、「俺はあえて手数料の高い投資信託を買って、儲けを出し、周りに投資の力を誇示したい。」という変わったニーズを高確率で掘り起こせるようになるかも知れません。