1.顧客の洗い替えとは
昨今、日本企業でも顧客の洗い替えが頻繁に見られるようになりました。顧客の洗い替えとは既存の固定客と手放してでも、新しい顧客を取りに行ったり、顧客との接点を変えたりするような場合を言います。例えば、これまで窓口販売をしていた企業がオンライン販売のみに転換したり、現金会計をなくして、クレジットや電子マネー決済のみに限定するような場合があります(現金の利用を禁止することは一部法的な議論があるようですが)。このような効率化を図ると、一般にその技術に疎い顧客層は離れていきます。一方でそういうニーズを持った顧客が新たに固定客として付く場合もあります。
2.顧客の洗い替えは英断なのか?
事業者としては、固定客を手放すという判断はしたくないものです。しかも新規の顧客が付くかどうかは分からないわけですから、より一層判断の難しいものになります。ではどのような判断をもって、決めれば良いのでしょうか??
3.客数が多い企業ほど、英断になりやすい。
私が考える判断基準は、その判断によって得られるコストカットの総額が、離脱見込みの顧客の売上に勝るかどうかではないかと思っています。例えば、現在している現金決済の顧客の売上総額が年間1億円だとすると、レジにかかる平均的な時間を時給と計算し、人件費総額がその売上を超えるかどうかです(新しいシステムの導入費用などもかかりますが、今回は無視します)。恐らく客単価が低くて、人件費が高い、決済回数が多い業態であれば、比較的メリットは生じやすいと考えられます。