1.サラリーマンにおける労働環境

 今日はサラリーマンをしていて、会社に対して裁判を検討している方向けに記事を書きます。昨今、社内の労働に対する目が厳しくなり、パワハラ、セクハラ、解雇など様々な焦点に行政の目が注がれる世の中となりました。そういった意味では社会がより法令遵守の方向へ流れていて大変喜ばしいことですが、一方で今でもそのような働きにくい環境は残っているという声は聞こえてきます。逆に経営者側からすると管理コストが極めて高くなり、各種社会保険料率の上昇と相まって経営を圧迫する対象となっています。通常、会社が明確に労働法に違反している場合は社員が経営者に対して是正を求め、経営者はそれを会社の問題点として1つ、1つ解決していくものですが、なかなか現実はそのようにいかないものです。

2.会社の労働環境が改善しない理由

 会社の労働環境が改善しない理由はいくかあるかと思いますが、私の考える理由は以下の通りです。

・そもそも経営者の多くは労働法を学んでから起業するわけではない。
・雇われた社員自身もその会社に研修等がない限りは、管理者であっても知らないケースはある。
・ビジネスモデル自体が薄利多売のため、法令遵守のために人的リソースを割く余裕がない。
・経営者に進言した場合、今後の就労環境にデメリットが及ぶ(例えば『自分が社内にいない時に悪い社員の事例としてその事を話題に上げられた』などの話をたまに耳にしますが、それは名誉毀損に当たる可能性があるのでまた別の話で慰謝料請求を行えば良いと思います)。

3.サラリーマンが労働裁判を起こすと...。

 さて比較的法律に詳しく、行動力のあるサラリーマンの方ですと会社相手に裁判を起こす方もいらっしゃるかと思います。しかし一般的にはそれは費用倒れになるケースが多いです。その理由は仮に月額20万円の給与の方が、不当解雇を訴えて1ヶ月分の給与を会社から勝ち取ったとしても、弁護士費用の着手金だけで30万円程度はかかるためです。もちろん弁護士費用を超える給与を支払える企業で働くサラリーマンの方は裁判を起こすメリットはあるかと思いますが、末端従業員に600万円とか700万円支払える企業は法令の遵守もしっかりしていて、トラブルになるケースは非常に少ないのが現状です(もちろん高い給与を維持するためには高い売上が必要になるため、それに伴うプレッシャーは高くなりますが)。

4.給与の低いサラリーマンはどうすれば良いのか?

 このような状況のため労働相談というのは需要は多いけれども、なかなか弁護士を立てて交渉しづらい分野となっています。では給与が低いサラリーマンはどのようにすれば良いでしょうか?一番良いのは給与の高い会社へ転職することですが、それよりも目の前の問題を解決したいと考える方は労働審判を使って自らが交渉の場に立つことをおすすめします。労働審判とは労働審判官(裁判官)1人と労働関係に関する専門的な知識と経験を有する労働審判員2人で組織された労働審判委員会が、個別労働紛争を、原則として3回以内の期日で審理し、適宜調停を試み、調停による解決に至らない場合には、事案の実情に応じた柔軟な解決を図るための労働審判を行うという紛争解決手続です。裁判に比べ比較的早く決着が付くためおすすめの方法です。このような手続きをすることはやはり気が引けるという方もいらっしゃるでしょうが、経営者は会社の利益を第一に考え、従業員は自分の利益を第一に考えることで初めて両者が拮抗してお互いの領域が保たれるわけですから、利害関係がきちんと拮抗しているかはどんな組織においても重要なことです。
 もしご興味があれば試して見てはいかがでしょうか?